貿易実務を一から勉強

必要に迫られて、学習記録を残します。

まずは大雑把に流れを把握しよう!

輸出入で大雑把に把握しておかなければならないのは、①お金の流れ②物の流れ③書類の流れです。難しいことは後回しにして、まずは最低限知っておくべきことを覚えましょう。
①お金の流れ
取引が長く続いていたり、よほどの信頼関係がない限り、個人や中小企業の決済は全部現金先払いが基本です。また、どうしても日本的な感覚で考えてしまいますが、サンプルは原則タダではありません。特に輸出の場合、サンプルを相手に軽々しく無料で送るとは言わない方がいいです。1万円のものを送るのに3万円の運賃がかかる場合がありますが、現実的にそれだけの経費が掛かっているので、先方にきっちり請求するようにしましょう。輸入の場合も、サンプルはタダだとは考えないで、最初から支払うつもりで考えた方がいいです。

さて、現金の決済は、通常は電信送金で行われます。インボイスのPayment Terms欄によく記載されている「T.T. Remittance」のことです。決済方法は電信送金という意味です。

相手側の地域にもよりますが、金額は、最近はユーロもありますが、普通は米ドルです。

ここで必要なのが為替レートに対する考え方です。見積を取る場合も作る場合も銀行手数料のことを覚えておかなければなりません。日本のメガバンクのHPには、リアルタイム為替レートが必ず載っています。「外貨⇒円貨」(TTB)「円貨⇒外貨」(TTS)でそれぞれレートが違うでしょう。大体、銀行はその日の午前中10時から11時を目途に為替レートを確定させます。(為替市場が大きく変動している場合は、午後にずれ込む時もあります)
輸出入にはこの顧客相場が適用されます。大体、インターバンク相場の±2円ですが、見積もり作成日の相場で考えてはいけません。必ず、リスクヘッジのために5円から10円は円高で計算するように癖をつけしましょう。

近年、グローバル化の発達により、世界各国でマネーロンダリング防止のために海外送金への監視が厳しくなっています。日本からの少額送金の場合、銀行の「外国送金依頼書兼告知書」に記入するだけで送金可能ですが、他国では売買契約書のコピーを添付しないと送金できないようです。物販の場合は実際にモノが輸入されたかまで監視されているようです。日本でも高額の場合は添付が必要でしょうね。また、逆に海外から入金があった場合は必ず銀行から何のお金か問合せが来ます。送金された金額が請求書通りか確認するためにも、契約書や請求書はいつでも見れる状態にしておいた方がいいです。

②モノの流れ
日本は島国ですから、必ず海か空でモノが運ばれます。輸送手段は大きく分けて3つに分かれます。ⅰ海上輸送ⅱ航空輸送ⅲ複合輸送(ⅰ、ⅱとトラック輸送の複合)です。詳しいことは上級編で。
通常は、運送業者(フォアダー)か船会社(キャリアー)に輸送を依頼します。大概は通関業務までやってもらえるので、通関を自分でやることはできますが、税関のそばに住んでない限りは費用対効果を考えるとそこまでやってもらった方がいいです。
輸出の場合、フォアダーあるいはキャリアー指定の倉庫にモノを送ります。あとはお任せでOKです。
輸入の場合、先方にフォアダーかキャリアーの指定倉庫を伝えてください。こちらも後はお任せでOKです。

③書類の流れ
貿易実務で一番重要なのがこの書類の流れです。書類がなければ、お金もモノも動きません。
絶対に欠かすことのできない書類はⅰインボイス船荷証券(B/L)あるいはAir Waybillです。これに通常はⅲパッキングリストが加わります。